英語でホ・オポノポノ(by サトラサレ)

ホ・オポノポノの珠玉の言葉を英語の原文で紹介します。

シェイクスピアの『ソネット集』

ヒューレン博士は、しばしばシェイクスピアの言葉を引用して語ります。

とりわけソネット集(The Sonnets)』はよく取り上げられており、『Zero Limits』では、30番129番146番などが引用されています(p.115、p.116、p.212など)。

p.16では、ジョー・ヴィターリさんへのメールの中で、「fore-bemoaned moan」という表現をしていますが、これはソネット集』の30番にある一節です。

My problems are memories replaying in my subconscious. My problems have nothing to do with anyone or anyplace or any situation. They are what Shakespeare so poetically noted in one of his sonnets as “fore-bemoaned moans.”

『Zero Limits』p.16より引用

「私の問題は、潜在意識の中で再生される記憶です。私の問題は、誰にも、どの場所にも、どんな状況にも関係がありません。それらは、シェイクスピアソネットの中で「すでになげきおえた嘆き」と詩的に述べたもののことです。」

ソネットは、『Project Gutenberg』英語の原文を読むことができます。
30番は、このような詩です。

XXX
When to the sessions of sweet silent thought
I summon up remembrance of things past,
I sigh the lack of many a thing I sought,
And with old woes new wail my dear time’s waste:
Then can I drown an eye, unused to flow,
For precious friends hid in death’s dateless night,
And weep afresh love's long since cancell’d woe,
And moan the expense of many a vanish'd sight:
Then can I grieve at grievances foregone,
And heavily from woe to woe tell o’er
The sad account of fore-bemoaned moan,
Which I new pay as if not paid before.
But if the while I think on thee, dear friend,
All losses are restor’d and sorrows end.

『THE SONNETS』by William Shakespeare(Project Gutenberg)より引用。

私が訳すと台無しになってしまいそうですので、ソネット集』(岩波文庫高松雄一 訳)の翻訳を引用します。

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ソネット集 (岩波文庫 赤 205-5)

ソネット集 (岩波文庫 赤 205-5)

 

30

やさしい静寂にひたされた、こころの思いの法廷に、
過ぎさりし思い出の数々を召喚してみると、
わが求めた多くのものが欠けているのに嘆息をもらし、
古い悲しみをを思い、貴重な人生が空しく過ぎたのを新たに嘆く。
また、死の果てしない夜にかくれた大切な友たちをしのび、
ふだんは泣かぬ眼にも涙をあふれさせる。
とっくに帳簿から消した愛の苦しみをまた思い浮かべて泣き、
多くの消えていったものたちの損失を考えてはなげく。
また、私は去(い)にし昔の悲しみを思って悲嘆にくれ、
暗い心で、苦痛のひとつひとつをかぞえあげ、
すでになげきおえた嘆きをさびしく清算して、
支払いがすんでいるのに、あらためて払いなおす。
 しかし、愛する友よ、そのときにきみを思うと、
 すべての損失は埋めあわされ、悲しみがおわるのだ。

ソネット集』(岩波文庫高松雄一 訳)pp.45–46より引用

 

 「fore-bemoaned moan」は、『ハワイの秘法』(p.37)では「あらかじめ悼(いた)まれた嘆き」と訳されていましたが、改題・加筆修正・再編集された『人生が変わるホ・オポノポノの教え』(p.39)では、「かつて嘆き尽くされた嘆き」に修正されています。
※「mourn」とは違い、「moan」には「悼む(人の死を悲しむ)」という意味はありません。

サンマーク出版の『ウニヒピリ』でも、当該部分が引用されています。

「ゼロになる」とは、ウニヒピリすなわちあなたが記憶から自由になっている状態です。再生される記憶がなく、シェイクスピアの言う「過ぎ去った悲しみ、昔の嘆きを今改めて嘆き直し」ていない状態といえるでしょう。

『ウニヒピリ』(サンマーク出版)p.145 ヒューレン博士の発言より引用

Peace be with you,

シェイクスピアのソネット集

シェイクスピアのソネット集

  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 単行本