英語でホ・オポノポノ(by サトラサレ)

ホ・オポノポノの珠玉の言葉を英語の原文で紹介します。

『ユーザーイリュージョン』を読みました

ヒューレン博士がジョー・ヴィターリさんに読むように薦めたという本、『ユーザーイリュージョン』をようやく読み終えました(英語ではなく日本語版で)

ユーザーイリュージョン

文庫本と比べるとこれくらいの大きさ(約13.5×19.5 cm)

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分厚いです。(索引や注釈を含めると566ページ)

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中はこんな感じ。ときどき図版も出てきます。

本の内容については、Amazonの説明(「BOOK」や「MARC」のデータベースからの引用)よりも、以下の「本書に寄せられた賛辞」のほうが、読みたい気持ちにさせてくれます。

意識というものをしっかり説明してくれる本が、ついに登場した。しかも、これがまた卓越したストーリーになっているのだ。洗練された文体で優美に綴られ、ユーモアと知性に満ちあふれている。そこに示された心と魂の探求の旅を終えたときには、読者は意識の観念を根底から覆されていることだろう。意識についての書物をただ一冊だけ読むとすれば、本書をおいてほかにない」
——ジョン・L・キャスティ(『パラダイムの迷宮——科学の鏡に映る実像と虚像』の著者)

『ユーザーイリュージョン』(p.3)より引用

ヒューレン博士がこの本を薦める場面は、『Zero Limits』の23ページに出てきます。
(『ハワイの秘法』ではp. 47、『人生が変わるホ・オポノポノの教え』ではp.51)

He also said to read The User Illusion by Tor Norretranders. Since I’m a bookaholic, I instantly jumped online and ordered it from Amazon. When it arrived, I devoured it.
The book argues that our conscious minds don’t have a clue what is happening. Norretranders writes, “The fact is that every single second, millions of bits of information flood in through our senses. But our consciousness process only perhaps forty bits a second―at most. Millions and millions of bits are condensed to a conscious experience that contains practically no information at all.”

『Zero Limits』(pp.23–24)より引用

(ヒューレン博士)はまた、トール・ノーレットランダーシュの『ユーザーイリュージョン』を読むようにとも言った。(ジョー・ヴィターリ)活字中毒なので、即座にAmazonで注文した。本が届くとすぐにむさぼり読んだ。

この本が示しているのは、私たちの顕在意識は、何が起こっているのか見当もついていないということだ。ノーレットランダーシュはこう書いている。「実際には、何百万ビットという情報が、毎秒毎秒、感覚器官を通して私たちの中になだれ込んでいる。だが、私たちの意識が処理するのは、せいぜい毎秒40ビット程度のものだ。何百万ビットもの情報が意識ある経験に凝縮される」

訳:サトラサレ/『ユーザーイリュージョン』からの引用部分(太字)は柴田裕之さんの翻訳を借用(p.161)。

 ヒューレン博士がよく語っている「潜在意識は何百万ビット、表面意識は数十ビット」ということについては、第六章の「意識の帯域幅(p.160–)に詳しく書かれています。

『Zero Limits』では、「The Universe began when nothing saw itself in the mirror.」という言葉も『ユーザーイリュージョン』から引用しています。(本文の直前/p.xvii)

この一文は433ページで見つかりました。
「宇宙は、無が鏡に映る自分の姿を見たときに始まった。」と訳されています。

『ハワイの秘法』PHP出版)の19ページでは、この言葉が「宇宙はそれ自身が鏡に映らない無から始まった」と訳されていますが、これは意訳しすぎというよりも、誤訳といってよいでしょう。
また同書では「トール・ノーレトランダース」の『The User Illusion』と表記されていますが、『ハワイの秘法』が発売される8年も前に、「トール・ノーレットランダーシュ」、『ユーザーイリュージョン』という和訳ですでに出版されています。
(⋯⋯と、ここで込み上げてくる苛立ちの記憶をクリーニング)

さて、「ユーザーイリュージョン」とは、どういう意味なのでしょう?
本の袖の部分に解説がありました。

ユーザーイリュージョンとは
パソコンのモニター画面上には「ごみ箱」、「フォルダ」など様々なアイコンと文字が並ぶ。実際は単なる情報のかたまりにすぎないのに、ユーザーはそれをクリックすると仕事をしてくれるので、さも画面の向こうに「ごみ箱」や「フォルダ」があるかのように錯覚する現象を指す。

『ユーザーイリュージョン』の袖(ジャケットのフラップ部分)より引用

著者のトールさんは、「ユーザーイリュージョンは、意識というものを説明するのにふさわしいメタファーと言える」と語っています。

この本は、もともとはデンマークで書かれています。
『Mærk Verden』という原題で、これには「世界を感知する」「世界に影響を与える」という両方の意味があるのだそうです。
また、トールさんのお名前は、デンマーク語ではTor Nørretranders。スラッシュ付きの「ø」です。

日本語版は英語版(The User Illusion)からの翻訳ではあるものの、日本語版の制作時の質問には、英語に堪能な著者から入念な回答がもらえたと、「訳者あとがき」に記されています。

私の感想はというと、「読んでよかった本」。「人生の限られた時間を費やして読む価値のある一冊」。

理系のことはまったくもって苦手なため、第一印象は「読み終えることができるだろうか?」というものでしたが、「ヒューレン博士が薦めていた本なのだから⋯⋯」と読み進めるうちに、どんどん引き込まれていきました。

物理だけではなく、生物、心理、宗教、哲学などさまざまな分野の話を交えながら、「意識」の本質に迫っていきます。
引用されている話、論文、実験などについては、巻末にソースが示されており、信頼性を高めています。柴田裕之さんの翻訳も、読みやすく安定感があり、感服しました。

本国のデンマークでは13万部のベストセラーで、人口比で換算すると、日本での250万部に相当するのだそう。このような本がベストセラーになる、デンマーク人の意識の高さにも驚かされます。

 

 

Amazonでは目次が示されていないため、以下に紹介します。
※数字は原文のまま漢数字にしています。
※手入力のため、誤植が含まれている可能性があります(発見された方はご連絡ください)。

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【第一部】計算

第一章 マックスウェルの魔物
科学と日常性を統合する気運/情報という幽霊/熱・エネルギー・エントロピー/ボルツマンの憂鬱/デーモン登場

第二章 情報の処分
シラードの問いかけ/情報を忘れることにコストがかかる/マクロ状態とミクロ状態/シャノンの〈情報エントロピー

第三章 無限のアルゴリズム
ヒルベルトゲーデルラッセルとホワイトヘッドゲーデルの沈黙/チューリング・マシーン/ゲーデルからアルゴリズム複雑性へ/マックスウェルの魔物はいつ何を知るのか

第四章 複雑性の深さ
秩序と混沌と複雑性/情報の意味——〈論理深度〉/〈熱力学深度〉としての複雑性

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【第二部】コミュニケーション

第五章 会話の木
情報 vs.〈外情報〉/情報理論の情報に意味を持ち込めるか/会話の木——情報の伝達と情報の処分/脳血流実験からの示唆

第六章 意識の帯域幅
一〇〇万分の一しか意識に上らない/意識は何ビットの情報を処理できるか/意識しなくてもできる高度の仕事/おとぎ話とコミュニケーション

第七章 心理学界の原子爆弾
サブリミナル広告の衝撃/デカルト、ロック、ヘルムホルツ/閾下知覚⋯⋯様々な証拠/「閾下の自己は優れている」

第八章 内からの眺め
盲点と錯覚⋯⋯文化的背景も影響/消防車はなぜ赤いか/「カエルの目はその脳に何を伝えるか」/意識という名のサーチライト/〈結びつけ問題〉と〈意識=同期発振〉説/小休止——第一部・第二部のまとめ

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【第三部】意識

第九章 〇・五秒の遅れ

リベットの実験/想定される反論/リベットの実験(続き)——意識は遅れて知覚する/リベット実験の余波/意識の禁止権説と自由意志

第十章 マックスウェツの「自分」
〈マスキング実験〉と西部劇の主人公/〈私〉と〈自分〉の自由意志/哲学の文脈のなかで/日常生活を理解するカギ/宗教と社会生活とプラシーボ効果

第十一章 ユーザーイリュージョン
分離脳患者の研究から/〈隠れた観察者〉の発見/意識のトリックを体験しよう/ユーザーイリュージョンとしての意識/世界をじかに体験したら/角膜移植手術は成功したが/〈暗黙知〉の重要性

第十二章 意識の起源
〈二分心〉の崩壊と意識の誕生/一神教多神教と意識と/意識は再び姿を消した!?/赤ん坊の意識/二つの肉体と意識
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【第四部】 平静

第十三章 無の内側
ガイア理論登場/細胞内共生と個体の意味/地球への彗星衝突と太陽の恩恵/宇宙に情報を捨てられる理由/宇宙は〈無〉から始まった

第十四章 カオスの縁
コンピュータ・ウイルスと人口生命/キーワードは創発/カオス理論と不可逆性/相転移とセルオートマトン

第十五章 非線形の線
フラクタル——自然は非線形/海岸線の長さとゼノンの逆説/フラクタル次元/マルクスが見誤ったもの/情報社会の危険は情報欠如

第十六章 崇高なるもの
核戦争の脅威を脱したわけ——〈うぶな解釈〉/「美は地球を救う」/意識の役割と崇高なるものの追求

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Peace of I,